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ロシア包囲網に加わらず中立の南アフリカ、連立政権でグローバル・サウス外交に岐路 - 読売新聞オンライン

 【ケープタウン(南アフリカ南部)=笹子美奈子】南アフリカ国民議会は14日、シリル・ラマポーザ大統領の続投を決めた。アパルトヘイト(人種隔離政策)と闘った与党アフリカ民族会議(ANC)と、白人らが支持基盤の民主同盟(DA)との初の連立政権が誕生する。

 5月29日の国民議会総選挙で、アパルトヘイト撤廃後、30年政権を握るANCは初めて過半数割れし、「挙国一致政権」を目指して各党と連立協議を行った。最大野党DAは、ポピュリズムや過激な黒人優遇策を掲げる野党との連立を拒否。ANCは、ビジネス界に支持基盤があり、現実路線のDAとの連立を選んだ。少数政党も加わる見込みだ。

 連立によって外交政策は転換を余儀なくされそうだ。ロシアのウクライナ侵略を巡っては中立路線を維持し、米欧主導の対露包囲網に加わっていない。侵略後も中露と軍事演習を行うなど盟友関係を絶たず、新興5か国(BRICS)首脳会議では、中露が米欧への対抗軸として掲げる多国間主義に同調している。DAはロシアに批判的で、ビジネス環境の向上を重視するため欧米寄りだ。中立路線の維持は難しくなる。

 アパルトヘイト闘争を経て民主主義を勝ち取った南アに信頼を寄せる国は多く、南アはグローバル・サウス外交で主導的な役割を果たしてきたが外交の表舞台から遠のきそうだ。

 「白人の任命、リーダーシップに対する反発は根強く、党内の対立は深い」(ノースウェスト大のアンドレ・ドゥベンヘイガー教授)として連立の行方を危惧する声がある。特にANC内で横行する汚職にDAがメスを入れようとすれば政権内の対立は不可避となる。経済を巡ってもリベラル重視のDAと社会主義的な左派路線が根底にあるANCには隔たりがある。

 ラマポーザ氏は「我が国の命運にとって歴史的な分岐点だ。我々は団結せねばならない」と強調した。

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