【米大統領選2024】 民主党、追い込まれる 討論会でのバイデン氏の様子に懸念

声がかすれ、時に口ごもるバイデン大統領の様子に、民主党支持者の間からも懸念の声が高まっている(27日、アトランタ)

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ケイラ・エプスティーン、BBCニュース(米アトランタの討論会場で)

ジョー・バイデン米大統領の陣営は、ドナルド・トランプ前大統領との討論会が終わったら、一気に攻勢に出るつもりでいた。

しかし実際には、むしろ追い込まれてしまった。

陣営を応援して代弁する民主党関係者たちは27日夜、討論会会場の近くに設けられた報道対応部屋の片隅で、多くの記者に取り囲まれた。報道陣は口々に、81歳のバイデン氏を大統領候補から外すべきではないのか、討論会での様子から大統領として適任なのかの懸念が前より高まったのではないかと、民主党関係者に矢継ぎ早に質問した。

カリフォルニア州のギャビン・ニューサム知事(56)にも、民主党は大統領以外の候補者を代わりに擁立すべきではないのか、と質問が飛んだ。

ニューサム氏は、自分は「古風」なので、バイデン氏が元気かどうか大騒ぎするより、討論会で話題になった「中身と事実」が大事だと思うと答えた。

カリフォルニア州のギャヴィン・ニューサム州知事

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民主党としては、討論会の後にこのような会話をするつもりはなかった。しかし、90分間の討論会でバイデン氏は元気がなく、時に口ごもり、風邪のせいで声はしわがれていた。

そのため民主党関係者はただちにパニック状態に陥り、記者団はバイデン陣営が今後どうやって立ち直るのかとひっきりなしに尋ねた。

有権者はバイデン氏の年齢を気にしており、それはこの日の討論会の重要なポイントだった。そして、討論会での大統領の様子は、決してバイデン氏を助ける材料にはならないと、熱烈なバイデン支持者たちも認めている。

バラク・オバマ元大統領の2008年選挙運動を担当した民主党の戦略家デイヴィッド・プラフ氏は、「デフコン1状態」だと話した。「デフコン1」とは、最も深刻なレベルの核戦争の脅威を意味するアメリカの軍事用語だ。

「今夜のふたりはまるで、年齢差が30歳もあるみたいに見えた」と、プラフ氏は言う。実際には4歳と離れていないのだが。「この討論会を受けて、有権者はそこに本当に悩むと思う」。