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総務省接待11人処分へ 首相「長男関係し申し訳ない」 - 日本経済新聞

衆院予算委に出席した(右から)谷脇、吉田の両総務審議官と総務省の秋本前情報流通行政局長、湯本前官房審議官(22日)

菅義偉首相の長男らによる総務省幹部への接待問題で、同省は24日、11人を懲戒などの処分にする方針だ。国家公務員倫理規程で禁じる「利害関係者からの接待」にあたると判断した。首相は22日の衆院予算委員会で「私の長男が関係し、公務員が違反行為をすることになり大変申し訳ない」と陳謝した。

総務省は同日、衆院予算委理事会に接待に関する調査結果を示した。首相の長男が勤める放送事業会社「東北新社」から幹部らが受けた接待は、のべ39件で21件に首相の長男が出席していた。

費用を同社が負担した総額は60万円近くにのぼる。同省を退職した山田真貴子内閣広報官を含む13人が接待を受けた。

総務省は24日、人事院の国家公務員倫理審査会に処分案と調査を報告する。人事院の判断を経て山田氏と課長級職員1人を除く11人が処分される見通しだ。11人は放送行政を所管する総務官僚として利害関係者の接待を受けたとみている。

山田氏は総務審議官だった2019年11月に首相の長男や東北新社の二宮清隆社長らと会食していた。飲食代は1回で7万4千円に上った。総務省は「職歴上、倫理法の利害関係者に該当していた可能性が高い」と指摘するが、すでに総務省を離れているため処分から外す方針だ。

加藤勝信官房長官は22日の記者会見で「山田氏は特別職の国家公務員で、法律に基づく懲戒処分の規定がない」と説明した。内閣広報官を続けるか否かは「公務員倫理審査会の結果などをみながら対応する」と強調した。

課長級職員1人を処分から外す理由に関して総務省は「利害関係者ではない」と見ている。

首相は22日の衆院予算委で、判明した総務官僚の接待の多さを問われ「驚いた」と答えた。「総務相の下で徹底して調査し、事実関係を明らかにしてほしい」と指摘した。

首相は長男が東北新社に入社する時「総務省とは距離を置いて付き合うように言った」とも答弁した。その後の自民党役員会では「息子の件で迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪した。

今回の報告で最も接待額が高いのは谷脇康彦総務審議官。4回の接待で土産代やタクシー代を含め計11万円超になった。昨年10月は1回の飲食代で4万7千円だった。

谷脇氏、吉田真人総務審議官、20日付で事実上更迭された秋本芳徳前情報流通行政局長と湯本博信前官房審議官の4人はこれまで名前が挙がっていた。22日の報告では新たに山田氏と総務官僚8人への接待が判明した。

立憲民主党は衆院予算委で山田氏の飲食代を「金額が常軌を逸している」と追及した。首相は「詳細について聞いてみたいと思う」と話した。接待が放送行政に与えた影響に関しては武田良太総務相が「行政がゆがめられた事実は確認されていない」と言及した。

立民は首相自身が長男に事実確認するよう求めた。首相は「総務省で徹底して調査している」と述べるにとどめた。総務省の原邦彰官房長は首相の長男から聞き取りしたと説明した。

東北新社はCMやテレビ番組、映画などの制作を手掛ける。BSとCSで「スターチャンネル」など10チャンネルを運営し、総務省から放送業務の認定を受ける立場にある。20年3月期の売上高は前の期比4%減の598億円。

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