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ウクライナ、情報機関・検察トップの更迭決定(写真=AP) - 日本経済新聞

【ロンドン=中島裕介】ウクライナのゼレンスキー大統領は17日の声明で、同国の情報機関である保安局(SBU)のバカノフ長官と、検察トップのベネディクトワ検事総長の更迭を決めたと明らかにした。両機関の職員がロシアに協力しているケースが多数あることを理由に挙げた。

ただウクライナメディアによると、同国の大統領府副長官は18日、2人は停職処分は受けたが解雇はしていないと語った。大統領による重要人事の発表を訂正するのは異例で、政権内部で混乱が起きている可能性がある。

欧州メディアによると、バカノフ氏は大統領の友人で元ビジネスパートナーだった。ベネディクトワ氏はロシアを戦争犯罪で訴追するための主導的な役割を果たしていた。

ゼレンスキー氏は17日の声明で、「2人が所属する機関の職員の60人以上が、(ロシアに)占領された地域にとどまり、ウクライナに反抗して活動している」と指摘した。これらの職員がロシア政府関係者と関係を持ち、機密情報を漏洩したことも示唆した。「国の機関の全機能は、効果的な指導者がいる場合にのみ機能する」と強調した。

ウクライナ軍は東部と南部地域でロシアの侵攻に対して激しく抵抗を続けている。今回の処分の経緯は、ウクライナの国家機関へのロシアの浸透工作が続いていることも浮き彫りにした。

ロシアは16日に、ショイグ国防相がウクライナに展開する全部隊に対して作戦行動を強化するよう指示しており、ウクライナ東部・南部への攻撃が激化するとみられている。ウクライナメディアが伝えた地元当局の発表によると、ロシア軍は17日、ドネツク州の激戦地ソルダーなどを砲撃し子ども3人を含む6人が負傷した。ハリコフに近い北東部スムイも爆撃を受けたとしている。

英国防省は18日、ウクライナ東部の戦闘でロシアが同国の民間軍事会社「ワグネル」の部隊を投入し、ルガンスク州の制圧に向けた戦いを主導させたとの見方を示した。ワグネルにも大きな人的被害が出ており、採用基準を緩めて囚人なども雇っていると分析した。

英軍の制服組トップのラダキン参謀長は17日の英BBC番組で、ウクライナ侵攻でロシア兵5万人が死亡または負傷したとの見方を示した。一方で「プーチン大統領が体調が悪いとか、彼が暗殺されるという見方は希望的観測だと思う」と述べ、根拠の薄い楽観論を信じないよう訴えた。

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