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ジョンソン首相が辞意表明 なぜ辞任?今後の影響は? - nhk.or.jp

Q.これまで強気だったジョンソン首相が辞任に追い込まれた最大の理由は?
A.政権や党幹部の不祥事が続き、求心力が一気に低下したことが最大の理由です。まず、新型コロナウイルスの厳しい規制が続く中、首相官邸などでパーティーが繰り返された問題で大きな批判を浴びました。その後、いったんは、先月、党内の投票で信任され、党首として続投することが決まり、G7の首脳会議などにも出席してウクライナ情勢にも積極的に関わる姿勢を見せていました。
しかし、先週になってみずからが任命した与党・保守党の幹部が性的なスキャンダルで辞任したことをめぐり、対応が不誠実だと党内からも一気に批判が強まっていました。複数の閣僚を含むおよそ50人の政府高官が辞任を表明するという異例の事態となり、与党内では党首としての信任を問う投票を模索する動きも出ていました。

側近を含む閣僚などから直接辞任を迫られるなど、ジョンソン首相はかつてないほどの窮地に追い込まれていました。イギリスメディアは、首相はもはや辞任に追い込まれる瀬戸際だと伝えていました。

6日夜の時点では、ジョンソン首相はあくまでも辞任を拒否していましたが、事態は7日朝になって急展開しました。

これまでみずからを支持する閣僚、さらには側近からの説得にも応じてきませんでした。しかし7日朝、数日前に任命したばかりの閣僚が辞任を表明したのに加え、任命したばかりの財務相からも辞任を求める書簡を公表される事態となりました。
次々と閣僚や政府高官が辞任し、そのあとに任命する人材をあてるのも難しくなっていたという見方も出ていました。外堀を埋められた形で、首相が職を続けたいと思っても、ついてくる人もわずかで、辞任を選ぶしか道は残されていなかったというところだとみられます。

Q.現地ではどのように受け止められているのか?
A.当然の結果だという受け止めです。
いわゆるパーティ問題以降、ここ半年余り、ジョンソン首相をめぐっては批判が高まり、支持率は低迷していました。そもそも新型コロナの厳しい規制の中、だれもが我慢を強いられる中でパーティーをしていたことへの怒りは強いものがありました。それに加え、新たなスキャンダルがあり、市民の間には、またか、というという呆れにも似た思いも広がっていました。

イギリスでは物価が高騰し、人々が厳しい状況を強いられています。
そうしたなかで、この半年余り、いわば政治の駆け引きが続いてきたことに国民はへきえきしています。経済状況への対応、さらにはEUから離脱した後の混乱も続いています。政府には、国民のために混乱をおさめ、すみやかに山積する課題に対応していくことが求められるとみられます。

Q.今後イギリス国内はどうなる?
A.当面は政治的な混乱が続くことは避けられません。
ジョンソン首相は夏に党首選挙が行われるまでは首相を続ける見通しで党内で後継の党首が決まるまではまだ紆余曲折(うよきょくせつ)が予想されます。

イギリスはEUからの離脱をめぐり長く政治的な混乱が続いてきたのに加えて、新型コロナの感染が拡大するなか、ジョンソン首相が強いリーダーシップを発揮し国を率いてきました。国民から一定の支持を得てきたことも確かです。

その一方、ジョンソン首相をめぐっては問題や不祥事が相次ぎ、批判の矢面に立たされ、そのたびに切り抜けてきた印象ですが、今回いよいよ辞任に追い込まれる見通しになりました。

すでにジョンソン政権の司法長官が党首選挙が行われれば立候補する意向を表明するなど、今後、党首選挙に立候補する顔ぶれがどうなるかも注目されます。

Q.ウクライナを含めて世界への影響はどうなる?
A.ジョンソン首相は、アメリカのバイデン大統領などと歩調を合わせる形で軍事侵攻を続けるロシアへの圧力を強めてきました。ヨーロッパのなかではプーチン大統領に対する厳しい姿勢は際立っていました。また、ウクライナを訪問してゼレンスキー大統領と会談し、もっとも理解ある指導者の1人だとも評価されてきました。

先月開かれたG7やNATOの首脳会議でも、ウクライナを軍事的にも積極的に支援する姿勢を示してきました。ロシアへの圧力で結束を目指してきたヨーロッパにおいて、ロシアに対してとりわけ厳しい姿勢を示してきたジョンソン首相が辞任を表明したことでどのような影響が出るか注目されます。
一方、EUからの離脱を実現させたジョンソン首相は、アメリカや日本との経済の関係強化にも取り組んできただけに、こうした方針が継続されるのかなども焦点になるとみられます。

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