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キーワードで読む米大統領演説 雇用・コロナ…重点は? - 日本経済新聞

job
(雇用)

青は民主党、赤は共和党を表す

失業率と連動

雇用の確保は大統領にとって重要な課題です。jobに特に多く触れたのはバイデン氏のほかクリントン氏とオバマ氏で、いずれも民主党の大統領。政府による積極的な雇用創出を掲げました。

語数は失業率とやや連動しています。失業率が高くなると、やや遅れてjobが多く登場するようになる傾向が見えます。リーマン・ショック後に失業率が高まったこともあり、オバマ氏は2010年に「雇用が2010年の最優先課題でなければならない」と語りました。

economy
(経済)

青は民主党、赤は共和党を表す

景気が悪いと増加

景気が悪いほどeconomyを重視する傾向があります。第二次世界大戦終結後の1946年にトルーマン氏が33回、リーマン・ショック後の2009年にオバマ氏が22回言及しました。

invest
(投資)

青は民主党、赤は共和党を表す

民主党大統領が多用

公共投資を主に意味しています。共和党よりも民主党の大統領の方が多く使っています。クリントン氏は1993年に29回触れ、新しい投資計画を唱えました。2010年にはオバマ氏が18回言及し、クリーンエネルギーや教育への投資を訴えました。

energy
(エネルギー)

青は民主党、赤は共和党を表す

石油危機や環境問題で照準

1973年に起きた第一次石油危機の影響でエネルギーの供給が不足し、翌年の1974年にニクソン氏が18回、1975年にフォード氏が25回と多く言及しました。

2012年にはオバマ氏が23回触れ「私はクリーンエネルギーの約束から逃げない」と言及。環境政策を重視する方針を示しました。

America
(米国)

青は民主党、赤は共和党を表す

自国優先のナショナリズムも

近年の大統領ほど多く使う傾向にあります。トランプ氏は米国第一主義を掲げ、2017年と2018年に「make America great again」(米国を再び偉大に)のフレーズを用いました。アメリカ・ファーストは自国優先のナショナリズムの反映でもありました。

people
(国民)

青は民主党、赤は共和党を表す

民主主義重んじる

民主主義の価値を重んじる米国で、歴代大統領がよく使うキーワードです。1971年にニクソン氏、1977年にフォード氏が「government of the people, by the people, for the people」(人民の人民による人民のための政治)というリンカーンの有名なフレーズを引用しました。

freedom
(自由)

青は民主党、赤は共和党を表す

米国の価値観を象徴

米国の価値観を象徴する言葉です。第二次世界大戦中の1941年にルーズベルト氏は「4つの自由」を唱え、ファシズムに対抗するアメリカの理念を示しました。その後も多くの大統領がこの言葉を使い、特に新自由主義を志向したレーガン氏が多用しました。

democracy
(民主主義)

青は民主党、赤は共和党を表す

第二次大戦や冷戦の後に増加

ファシズムや社会主義とのイデオロギー論争が熱を帯びているときに使われやすい傾向があります。第二次世界大戦と冷戦終結の前後に語数が増えました。1937年にルーズベルト氏は19回触れ「民主主義が平和を維持するのに最も適している」と指摘。1994年にはクリントン氏が10回言及し「民主主義的な刷新と人権を支援するためにより多くのことをしなければなりません」と述べました。

hope
(希望)

青は民主党、赤は共和党を表す

米国の指導理念を示す

米国は将来や平和への希望をもたらす国――。こうした米国の指導理念を表すときに使いやすい言葉です。1984年にレーガン氏は「将来への最大の希望は私たち、特に子供たちの思考と感情だ」と語りました。1996年にはクリントン氏が「世界における私たちのリーダーシップは強力であり、新たな平和への希望をもたらす」と述べました。

dream
(夢)

青は民主党、赤は共和党を表す

夢をつかめる価値観印象付け

アメリカンドリームを信じるオバマ氏が好んだ言葉で、2011年の演説では12回使いました。「この国は何事も可能な地であるという夢を信じている」と指摘。「その夢があるからこそ私は今夜みなさんの前に立てるのです」と語りました。「努力すれば誰でも夢をつかめる」という米国の自由・平等の価値観を印象づけているといえます。

cooperate
(協力)

青は民主党、赤は共和党を表す

国内・国際の分断乗り越え

国際的な協調も、国内の協調も、分断を克服しようとする時に使われやすい表現です。1946年にトルーマン氏が10回触れ「平和が続くためには最も強力な国家の間で真に理解し積極的に協調し合わなければならない」と述べました。

unity
(結束)

青は民主党、赤は共和党を表す

党派超えた協力呼びかけ

議会に対して党派を超えた協力を呼びかける際に使われてきました。1951年にトルーマン氏は「私が結束を求めるとき、本当に求めているのはこの議会のすべての議員の責任感だ」と述べました。2002年にはブッシュ氏(第43代)が米同時テロを受け「米国民と一緒に議会の団結と決意に拍手を送る」と語りました。

war
(戦争)

青は民主党、赤は共和党を表す

第二次大戦直後に突出

第二次世界大戦終結後の1946年にトルーマン氏が202回と最も多く触れ、突出しています。ベトナム戦争中の1967年にはジョンソン氏が20回、1970年にはニクソン氏が16回言及しました。

近年はテロに対しても使われており、米同時テロの翌年の2002年にはブッシュ氏が12回触れ「war on terror」(テロとの戦い)を提唱しました。2016年に8回言及したオバマ氏はイスラム国(IS)の掃討作戦を「war」と表現し、軍事力の行使を主張しました。

terrorism
(テロ)

青は民主党、赤は共和党を表す

9・11で急増

2001年の米同時テロ後にブッシュ氏が多く言及し、2002年から2008年までの間に「war on terror」(テロとの戦い)というフレーズを15回使いました。トランプ氏は2017年に「テロの上陸拠点が米国内に形成されてはならない」と語り、テロを移民制限の理由の一つに挙げました。

Japan
(日本)

青は民主党、赤は共和党を表す

戦中・戦後直後に多く言及

太平洋戦争が始まった翌年の1942年から終戦翌年の1946年まで多く言及されました。1942年にルーズベルト氏は6回触れ「真珠湾での日本の行為は我々に衝撃を与えることを意図したものであった」と日本を非難しました。

1951年にはトルーマン氏が「私たちは日本の人々を自由主義国のコミュニティーの一員に戻したい」と発言。同年に日本とサンフランシスコ平和条約を結びました。1963年にはケネディ氏が「1950年代のめざましい経済的・政治的発展により現在では建設的な役割を世界的に果たしている」と高度経済成長中の日本に言及しました。

China
(中国)

青は民主党、赤は共和党を表す

協調から対立に

中国の経済成長に伴い存在感が高まってきました。1972年に中国を訪れたニクソン氏は1974年に「平和的な交流と貿易の拡大の時代が始まった」と米中和解の成果を述べました。2000年に9回触れたクリントン氏は経済のグローバル化推進を訴え、中国の世界貿易機関(WTO)への加盟を提唱。中国は2001年に正式加盟し、2010年にGDPが世界2位になりました。2017年に就任したトランプ氏は「中国がWTOに加盟して以来、6万の工場がなくなった」と中国をけん制し、経済的な対立が鮮明になりました。

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