ホンジュラス断交、台湾は切り崩しに危機感…中国が巨額援助で攻勢 - 読売新聞オンライン

　中米ホンジュラスが台湾と断交して中国と国交を樹立し、台湾は中国の切り崩しに対する危機感を強めている。中国は巨額の経済援助をちらつかせ、台湾と外交関係を持つ国への攻勢を強めている。（リオデジャネイロ支局　大月美佳、台北支局　鈴木隆弘）

　中国は「一つの中国」原則から、国交を樹立する国に台湾との断交を求めている。ホンジュラスとの国交樹立について、中国外務省は報道官談話で、「世界には一つの中国しか存在しない」と述べた。ホンジュラス外務省は声明で、「台湾は中国の不可分の領土であり、今後は台湾との公式な関係や接触を一切持たない」と強調した。

　蔡英文（ツァイインウェン）政権の発足以降、台湾と断交した国は９か国に上る。そのうち、パナマ、ドミニカ共和国、ニカラグアなど中米・カリブ海の国々が５か国を占める。近く中米歴訪に合わせて米国を訪れる蔡総統に反発し、中国がホンジュラスとの国交樹立を急いだとの見方も出ている。

　中国は「米国の裏庭」と呼ばれる中米・カリブ海地域で台湾と外交関係のあった国々の切り崩しを図っている。米バイデン政権との間で新たな摩擦が生じる可能性もある。

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