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中国、台湾にらみ「戦争準備強化」 軍拡止まらず - 産経ニュース

中国全人代の開幕式に臨む習近平国家主席=5日、北京の人民大会堂(共同)
中国全人代の開幕式に臨む習近平国家主席=5日、北京の人民大会堂(共同)

中国の習近平政権は5日開幕の全国人民代表大会(全人代)に、前年比7・2%増の1兆5537億元(約30兆5600億円)の国防予算を提出した。政府活動報告の書面では、台湾侵攻を念頭に置いた軍の「重大任務」の準備強化や、核戦力を含むとみられる「国家戦略体系」の能力向上を目標に掲げるなど軍拡路線の継続を示した。一方、李克強首相はこうした各国の警戒感を招く部分を読み飛ばした。

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国防予算の伸び率は前年より0・1ポイント増え、今年の経済成長目標(5%前後)や中央政府支出全体の対前年伸び率(6・5%)を上回った。国防予算の伸び率が7%を超えるのは2年連続。米国に次ぐ世界第2位の規模を維持し、日本の令和5年度防衛関係予算案の約4・5倍、台湾の今年度「国防」関連予算の約12倍となった。

軍に対する国務院(政府)の権限は限られており、政府活動報告は昨年10月の中国共産党大会で習近平総書記(国家主席)が行った政治報告を簡略化し踏襲。2027年の「建軍100年奮闘目標」に触れ、「訓練と戦争準備を全面的に強化し、軍事訓練の実戦化を重視する」とした。また、「重大任務」の「闘争・建設・戦争準備の統合を強化する」として、台湾侵攻に向けた態勢の整備加速を示唆した。さらに、核戦力を含むとみられる「一体的な国家戦略体系」の能力向上も明記した。

米中央情報局(CIA)のバーンズ長官は2月上旬の講演で、習氏が27年までに台湾侵攻の準備を整えるよう軍部に指示しているとの見方を表明。昨年12月の米国防総省の報告書は、中国が「国防と軍隊の近代化」の目標とする35年までに、核弾頭の保有数を21年の400発超から1500発まで拡充する可能性があるとして中国の核軍拡に警戒感を示している。

ただ、李氏は5日の政府活動報告の読み上げで「戦争準備の強化」などに触れた部分を読み飛ばした。さらに、過去5年の成果を報告する場面でも、軍の「近代化の水準と実戦能力が著しく向上した」との部分を読まなかった。対台湾政策と同様、米国をはじめとする国際社会を刺激しかねない表現への言及を避けたとみられる。

一方、国内の治安維持に充てる「公共安全保障支出」は前年比6・4%増の2089億元(約4兆1090億円)で、前年(4・7%増)よりも高い伸び率となった。習政権の軍や武装警察を重視する姿勢が改めて浮き彫りになった。

(田中靖人)

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