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偽版画流通、大阪の元画商ら逮捕 著作権法違反容疑 - 日本経済新聞

著名画家の偽版画が流通していた事件で、著作権者の許諾を得ずに版画を複製し販売したとして、警視庁は27日、大阪府池田市の元画商、加藤雄三容疑者(53)と奈良県大和郡山市の版画工房経営、北畑雅史容疑者(67)を著作権法違反(複製権侵害など)容疑で逮捕した。捜査関係者への取材でわかった。

鑑定機関などによると、これまでに平山郁夫の「流沙朝陽」や東山魁夷の「草青む」、片岡球子の「桜咲く富士」など約120点の偽作が確認されている。すでに百貨店などにも流通しており、警視庁は加藤容疑者らを取り調べて全容の解明を進める。

捜査関係者によると、逮捕容疑は大阪・梅田で画商を営んでいた加藤容疑者が著作権者の承諾を得ずに、版画の複製を北畑容疑者に依頼し、作成された偽作を販売していた疑い。

問題は2020年春、日本現代版画商協同組合(日版商、東京・中央)の複数のメンバーが同じ版画作品が不自然に多く流通していることに気付き、調査を始めたことで発覚した。

日版商の聞き取り調査に対して、加藤容疑者が「約10年前から奈良県の工房に偽作の制作を依頼し販売した」と説明。平山郁夫、東山魁夷、片岡球子の3作家10作品の偽版画の制作を認めたという。

日版商の相談を受けた警視庁が20年12月、加藤容疑者が版画を保管していた大阪府の会社事務所などを家宅捜索し、平山郁夫や東山魁夷などの版画約80点を押収した。

偽版画は絵画オークションや百貨店などですでに流通していたが、問題の発覚を受けて、作品を取り扱っていた画廊などの取引関係者が回収を進めた。

日版商の依頼を受けて3作家10作品の鑑定を行った東美鑑定評価機構(東京・港)によると、5月までに201点のうち120点の版画が偽作と鑑定された。うち片岡球子の作品が86点と最も多くを占め、平山郁夫は21点、東山魁夷は13点が偽作だった。

業界関係者によると、偽作は「一見すると本物と見分けがつかないほど精巧だった」という。

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