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無施錠の自転車に錠かける警察官、女子高生「動かせないんですけど」…驚きの啓発活動 - 読売新聞

 無施錠で駐輪している自転車に、警察官が錠をかけてまわる――。自転車の盗難被害が増えるこの時期、山形県警が駅の駐輪場などで取り組んでいる被害防止の啓発活動だ。された側は驚くが、県警生活安全企画課の担当者は「無施錠は盗む側には格好の標的。これを機に、自転車に鍵をかける癖をつけてほしい」と呼びかけている。(中田隆徳)

 「鍵がかけられていて、動かせないんですけど……」

 14日午前7時半頃、上山市矢来のJRかみのやま温泉駅駐輪場。駅から高校まで、自転車で通学しようとした1年生の女子生徒(15)は、困った表情で近くに待機していた上山署員に訴えた。

 鍵をかけ忘れていた自転車には、後輪にキー式のワイヤ錠がかけられ、上山署や駅の交番に連絡するよう書かれた札が付けられていた。上山署員は施錠の大切さを話し、すぐに解錠した。

 女子生徒は「何が起きたのかと驚いた。次からはしっかり鍵をかけたい」と話していた。

 この日無施錠の10台をロックした、同署の渡辺洋司生活安全課長は「警察官による鍵かけは、防犯と啓発の両方を兼ねることができる」と話す。

 県警生活安全企画課によると、2020年に発生した自転車盗難被害284件のうち、無施錠車は215件と75%を占める。多くは駅の駐輪場で起き、被害者の約6割は、通学などに使う高校生や大学生だ。例年入学シーズンの4月から夏休みにかけて件数が増加するという。

 警察官による自転車のロックは、公共の駐輪場を中心に全国で行われており、県警でも13年から導入した。現在は県内9署が「上山錠作戦」(上山署)や「自転車盗難防ぎ隊」(酒田署)などの名称で実施している。

 県内で最も被害件数の多い山形署は17年から「愛錠作戦」を実施。16年に414件だった被害件数は、20年は111件まで減った。

 村山署の「キーつけっべ作戦」は、解錠後の錠を持ち主に渡し、使用も促す。

 4月23日朝、東根市さくらんぼ駅前のJRさくらんぼ東根駅東口駐輪場で実施した作戦では、13台をダイヤル式のワイヤ錠でロック。翌日までに10人から連絡があり、鍵かけの大切さとともに解除番号を伝え、錠を持ち帰ってもらった。

 同署の海藤貴之・東根交番所長は「私も高校生のとき、鍵をかけ忘れて自転車を盗まれたことがあった。面倒な気持ちもわかるが、鍵一つで被害に遭う確率はぐんと減る」と鍵かけの大切さを強調した。

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