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くじ引きで決めた接種の順番、住民は「効率的で公平」…[政治の現場]ワクチン<5> - 読売新聞

 福島県沿岸部の浜通り、伝統行事「相馬野馬追のまおい」で知られる相馬市。2月5日午後、市民会館大ホールに、市内各地域を代表する行政区長ら約70人が集まった。

 視線の先は、壇上に置かれた木箱。実際の選挙で届け出順などを「くじ」で決めるための抽選器だ。中には、1から10の数字が記された棒が入っている。

 行政区を束ねる役員10人は、さながら、おみくじを引く要領でくじを引いた。マスク姿で距離を置いて座る区長らは、神妙な表情で一連の動作を見守った。

 静まりかえった会場に、声が響く。1番、中村東部地区、2番、玉野地区――。

 くじで決めたのは、新型コロナウイルスのワクチン接種の順番だ。市が指定した日時と場所で、行政区ごとに高齢者の集団接種を行う。市長の立谷秀清が発案し、区長会側の賛同を得た。

 人口約3万4000人の相馬市。今月1日始まった高齢者への集団接種は順調に進み、希望者約1万人のうち、既に9割が1回目の接種を終えた。6月1日に一般向け接種も始まる見通しだ。どのグループも、くじ引きの結果に従い、行政区ごとに集団で接種する。住民は「相馬のやり方は効率的で公平だ」と好意的だ。

 接種の予約を巡っては、全国で混乱が相次いだ。電話回線がパンクしたり、ネット予約でシステムがダウンしたりした。自治体が、一斉に接種券を住民に発送したのが原因とされる。

 ワクチン担当の行政・規制改革相、河野太郎は「悪いのは私だ。自治体が思った以上に『公平性』を重視することに気づかなかった」と、自治体をかばった。

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