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理3合格難しい…少年の絶望 東大刺傷に学ぶ大人ができること - 毎日新聞 - 毎日新聞

受験生らが切りつけられた現場付近を調べる警視庁の捜査員ら=東京都文京区で2022年1月15日午前10時4分、手塚耕一郎撮影
受験生らが切りつけられた現場付近を調べる警視庁の捜査員ら=東京都文京区で2022年1月15日午前10時4分、手塚耕一郎撮影

 東京大医学部に進学できる「理科3類(理3)」を目指していた17歳の少年は、捜査車両のサイレンを聞きながら何を思ったのか。「今の成績では理3合格は難しい」。警視庁に殺人未遂容疑で逮捕された少年はそう話したという。22日で発生から1週間が経過する東大前刺傷事件の背景として、識者らは進学校の生徒が陥りやすい特有の悩みの存在を指摘する。

成績が上がらず…悩み包丁購入

 事件は15日午前8時半ごろ、東大弥生キャンパスの農正門付近の路上で発生。大学入学共通テストの試験会場になっていた東大に向かっていた高校3年の男女2人のほか、通行人の男性(72)が背中を刺された。

 事件後、少年は持っていた包丁を自分の方に向けたが、近くにいた警備員に「落ち着いて」と言われて投げ捨てた。「来年東大を受験する」などとも叫び、警備員には「死のうと思った。親に迷惑をかけた」とも話したという。

 逮捕後の調べに「医者になるため東大を目指して勉強していたが、1年くらい前から成績が上がらず自信をなくした。自殺する前に人を殺して罪悪感を背負って切腹しようと考えるようになった」と供述した。

 少年は愛知県有数の進学校である私立校に高校から入学。二つある理系クラスのうち成績上位のクラスに入っており、東大理3を志望していた。

 捜査関係者などによると、昨年9月に行われた担任との面談で、現状の成績のままでは理3への合格は難しく、文系クラスへの転向も話題に上ったという。学校関係者は「進路で悩んでいたのは事実」と明かす。

 その後も理系クラスで勉強を続ける一方、凶器の包丁を購入するなど事件を計画していったとみられる。

“先輩たち”も経験した絶望感

 事件後、ツイッターには「医師になるなら他の医学部があるじゃん」「若いんだからまだチャンスはあった」「東大以外にも大学はある」などの声があふれた。最難関とされる東大理3への合格が難しいと考えただけで事件を起こすのか――。こんな疑問を抱いた人は少なくないだろう。

 だが、少年が通学していたような進学校で挫折を経験した“先輩たち”は、暴力行為を否定しながらも少年が絶望した気持ちには一定の理解を示す。

 「人生が終わったと思った」。東京・開成高出身で、現在は地元の広島県尾道市で学習塾を主宰する笠見未央さん(53)は、東大受験に失敗した当時を振り返る。東大合格者数で全国1位常連の同校では、「東大…

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