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水産業保護と対中外交で二重の壁 岸田政権内、先行きに不安感広がる:朝日新聞デジタル - 朝日新聞デジタル

 東京電力福島第一原発処理水の海への放出を受け、中国による「想定外」の日本の水産物の全面禁輸措置が打ち出されて1週間。日本政府は「科学的根拠に基づかない対応」と中国の対応を批判し、撤廃を要求する。一方、早期の局面打開は難しいともみて、長期戦に備え始めている。

 31日朝、東京・豊洲市場岸田文雄首相は、福島県沖でとれたゆでダコを一口ほおばって「うん。味がある」と顔をほころばせた。「おいしい、安全だということをしっかりアピールしたい」とも語った。

 首相はこの朝、市場で仲卸業者を回り、販路拡大などの支援策を直接説明した。市場内では「どうするんだ。魚を買ってくれなくなった」とヤジが飛び、ある業者は首相に厳しい現実をこう伝えた。「香港中心の輸出は、直近で約90%マイナスです」

 視察を終えた首相は、タコを口にした時とは打って変わって厳しい表情で記者団に語った。「科学的根拠のない輸入規制等は撤廃を強く働きかけていきたい」

 8月24日に中国が全面禁輸措置を打ち出すと、岸田政権の閣僚からは「全く想定していなかった」(野村哲郎農林水産相)との声が上がった。中国側の対応を批判しつつ、28日に予定されていた公明党山口那津男代表の中国訪問で、中国側の本気度を探ろうとした。だが、訪中2日前に、中国側が訪中の中止を通告。「相当厳しい反応だ。山口代表には期待していたが……」(首相周辺)と、政権中枢から失意の声が漏れた。

 自民党内からは、中国側の対応に世界貿易機関(WTO)への提訴を求めるべきだとの意見も広がっている。ただ、政府内では、提訴すれば中国側との対話が難しくなるとみて、慎重な見方が多い。

 9月上旬から、東南アジア諸…

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福島第一原発の処理水問題

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