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自民党・公明党が衆議院選挙協力で合意、関係修復狙う 東京は棚上げ - 日本経済新聞

自民、公明両党は27日、次期衆院選での選挙協力に関する合意文書を締結した。自民党は東京以外の10小選挙区で公明党が擁立する候補を推薦し、公明党は小選挙区で自民党候補を「基本的に推薦」する。候補者調整を巡って生じた亀裂の修復を急ぐ。

合意文書は自民の茂木敏充、公明の石井啓一両幹事長と自民の森山裕、公明の西田実仁両選挙対策委員長が持ち回りで署名した。これを受けて岸田文雄首相(自民党総裁)と公明党の山口那津男代表は27日昼に首相官邸で会談した。

山口氏は会談後、記者団に「雨降って地固まるという言葉もある。今日の合意を大事なステップとして実が上がるよう努力していく必要がある」と語った。

合意文書は「次期総選挙においても与党選挙協力を強力に推進する」と明記した。そのうえで公明党による自民党候補への推薦には「選挙協力体制が整った選挙区から発表する」とのただし書きをつけた。

自民党は東京を含めた協力を働き掛けているが、今のところ公明党は受け入れていない。自民党は協議を続ける方針で、選挙区ごとの個別協力を探る案もある。

公明党にも東京29区で議席を得るには自民党の推薦が必要との意見はある。今後の交渉で協力を広げる余地を残すため、合意文書は東京に一切触れない形式とした。

自公両党はこれまでも国政選挙の前に同様の合意文書を交わしてきたが、選挙の直前となる場合が多かった。衆院議員の任期が10月に折り返し点を迎えるとはいえ、まだ解散時期がみえない段階で締結するのは珍しい。

今回急いだのは東京での候補者調整を巡る対立がかつてなく深まったためだ。公明党の石井啓一幹事長は5月に「東京における自公の信頼関係は地に落ちた」と踏み込み、東京での選挙協力の解消を表明した。この亀裂が東京以外の選挙区にも波及しかねない状況になっていた。

自民党には協力関係に溝が残ったままでは首相の衆院解散戦略の制約要因になるとの懸念が強まった。公明党にも新たに擁立する選挙区で候補者の浸透が遅れるのは避けるべきだとの判断があった。

足元の内閣支持率は下落が続く。日本維新の会はこれまで候補者を立ててこなかった公明党の現職がいる大阪と兵庫の6つの小選挙区に対抗馬を立てる方針を示した。公明党は維新と対峙するうえでも自民党の協力が必要になる。

選挙を戦う環境が悪化していることも踏まえ、両党は合意文書によって自公協力の溝が全国に波及するのを食い止める狙いだ。

茂木氏は27日の記者会見で、合意文書について「一定の前進をみた。与党としての議席を最大限確保するとの認識は共有している」と話した。東京での方針を問われ「両党の対応、さらにどんな協力ができるか協議していきたい」と説明した。

公明党が東京で擁立する東京29区に関しては「自民党の判断として都連と東京29区の関係者に公明党候補者を受け入れてもらうようお願いしている」と述べた。「公明党から推薦を求められているものではなく、自民党としての判断」だとも言及した。

公明党内にも「自民党と協力しなければ東京29区は厳しい」と関係改善に期待する声はある。一方で「東京での方針を変える予定はない」(石井氏)との主戦論も根強い。内閣支持率や衆院解散の時期などを踏まえた駆け引きが当面続く見通しだ。

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