Search

本格侵攻へイスラエル軍が作戦拡大、標的はガザの地下トンネル数百キロ…戦車数十台が砲撃 - 読売新聞オンライン

 【エルサレム=福島利之】イスラエル軍が27日夜、パレスチナ自治区ガザでの空と陸からの作戦を拡大したのは、イスラム主義組織ハマスが地下に張り巡らしたトンネルや施設を破壊することが狙いだ。人質解放や人道支援を優先するよう求める国際社会の圧力の中、本格的な地上侵攻にいつでも踏み切れる構えを示した。

 イスラエル軍は28日、戦闘機約100機が150か所の地下トンネルや地下施設を空爆したと発表した。軍の公表した映像では、空爆の後、煙や土ぼこりが空高く舞い上がった。地下深くまで届く爆弾が使われたことがうかがわれる。戦車数十台が侵入し、砲撃した。

 ハマスの戦闘員は北部ベイトハヌーンや中部ブレイジで応戦した。ハマスは「(軍事部門の)カッサム隊と全パレスチナ人の抵抗軍は、侵攻に立ち向かう準備が整っている」との声明を出した。

 ガザ一帯には、人がかがんで通れるほどのコンクリート壁の地下トンネルが数百キロ・メートル張り巡らされている。ハマスは軍事部門の司令部にするとともに、エジプト側から武器や物資の密輸に使ってきた。

 イスラエル軍の報道官は27日、ガザ市にある最大規模の「シーファ病院」は内部で地下トンネルに通じていると強調し、ハマスが人間の盾としているとの非難をにじませた。軍は本格的な地上侵攻を前にできる限り地下トンネルを破壊し、地上戦を有利に進めたい考えだ。

 激しい空爆で地下に敷設されているインターネットや電話線のケーブルが切断された。ガザでは、ハマスの通信手段のみならず民間人のネットや電話が通じなくなり、人道支援にあたる国際組織もガザとの連絡が遮断された。国際人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」は、「残虐行為を隠す危険性がある」と懸念する声明を出した。

 229人に上る人質は、地下トンネルに収容されているとみられ、安否が懸念されている。ハマスは20日に2人、23日に2人解放するなど、人質を小出しにして時間を稼ごうとしてきた。作戦の拡大を受け、人質の家族会は28日、「愛する家族の運命を心配している」との声明を出し、人質の安全を優先するよう政府に求めた。

 ハマスの戦略にいら立ちを募らせるイスラエルは、「無条件での人質全員の即時解放」を求めるが、打開策はない。国連総会が27日、「人道的休戦」を求める決議案を採択して地上侵攻への圧力を強める中、イスラエル軍が、このままなし崩しで攻撃を激化させていく懸念も強まっている。

Adblock test (Why?)



Bagikan Berita Ini

0 Response to "本格侵攻へイスラエル軍が作戦拡大、標的はガザの地下トンネル数百キロ…戦車数十台が砲撃 - 読売新聞オンライン"

Post a Comment

Powered by Blogger.