東京 江戸川区の住宅で住人の男性を殺害したとして近くの中学校の教諭が逮捕された事件で、捜査が及ぶことを想定して教諭があらかじめ作成したとみられる“想定問答”のメモが関係先から見つかっていたことが、捜査関係者への取材で新たに分かりました。警視庁は、これをもとに逮捕前の任意の事情聴取に応じていた可能性があるとみて調べています。
ことし2月、江戸川区の住宅で住人の山岸正文さん(63)が血を流して倒れているのが見つかり、警視庁は江戸川区立の中学校教諭、尾本幸祐容疑者(36)を、山岸さんの顔や首などを刃物で切りつけるなどして殺害した疑いで逮捕しました。
調べに対し黙秘しているということです。
逮捕前、尾本容疑者は警視庁の任意の事情聴取に応じていましたが、この際、「以前、山岸さんから『土足でいいからあがってほしい』と言われ、住宅の荷物を運ぶよう頼まれたことがある」と話していたことが、捜査関係者への取材で分かっています。
また「家に入った時に鼻血を出した。『血の付いたマスクは捨てておく』と山岸さんに言われ、マスクを渡した」とも説明していたということです。
その後の捜査で、こうした内容も含め、捜査が及ぶことを想定して尾本容疑者があらかじめ作成したとみられる“想定問答”のメモが関係先から発見されていたことが、捜査関係者への取材で新たに分かりました。
![](https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230512/K10014065641_2305122116_0512211630_01_04.jpg)
山岸さんの住宅からは、尾本容疑者が持っているスニーカーと同じ型の足跡や、容疑者本人のものとみられる血痕の付いたマスクが見つかっていて、警視庁は尾本容疑者が、現場の遺留品とのつじつまを合わせるために“想定問答”のメモを作成し、事情聴取に応じていた可能性があるとみて調べています。
中学校の勤務記録を工作か
しかし、尾本容疑者は当日の午後、休暇を申請していたうえ、警視庁が学校付近の防犯カメラの映像を分析したところ、午後1時ごろには中学校を出ていたとみられることが、捜査関係者への取材で新たに分かりました。
また、午後7時すぎとされている退勤時刻についても、尾本容疑者があとから上司に依頼して入力してもらったことも分かったということです。
![](https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230512/K10014065641_2305122115_0512211630_01_03.jpg)
警視庁は事件が起きた午後6時半ごろに学校で勤務していたアリバイ工作を図った疑いがあるとみて調べています。
さらに、尾本容疑者は、自宅から中学校への通勤の際、ことし3月までは電車を使い、徒歩で山岸さんの住宅の前を通っていましたが、先月からは自転車に変更し、現場を通らないルートで通勤していたということで、警視庁が詳しいいきさつを調べています。
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