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日本はこれまで中国の加入申請について「TPPが求める高い水準を満たすことができるか見極める必要がある」などとし、中国が国有企業への優遇措置をとっていることなどを念頭に、慎重な姿勢を示しています。
一方、オーストラリアは微妙な立場にあるとみられています。
アルバニージー首相は、ことし5月の会見で中国の加入申請について問われた際「重要なのは中国が国際法に基づいた貿易を行う意思があることを世界に示すことだ」と述べるにとどめ、明確な言及を避けました。
オーストラリア政府は、安全保障面では海洋進出を強める中国を警戒する一方、貿易面では中国が最大の取引相手国で、代わりになる巨大市場はないとして、関係を重視していることが背景にあります。
オーストラリアでは一部の農業関係者などの間で、中国がTPPに参加すれば、輸出拡大につながるのではと期待する声もあがっています。
南東部ニューサウスウェールズ州でコメを生産する農家のグレン・アンドレアザさんは、収穫するコメの90%近くを業者を通じて中東など海外に輸出しています。
しかし、中国にコメを輸出する際には関税がかかることもあり、中国向けには輸出されていません。
中国とオーストラリアの間にはすでに2国間の自由貿易協定がありますが、中国向けのコメは関税引き下げの対象外になっています。
アンドレアザさんは、中国がTPPに加入すれば関税の引き下げもあり得るとして、巨大な中国市場にコメの輸出を拡大できる可能性に期待しています。
アンドレアザさんは「どこの国であっても、輸出できる市場があれば、私たち農家の利益につながるはずだ。中国が私たちのコメを買いたいと言ってくれるのならいつでも歓迎する」と話しています。
また経済面で中国との関係が深いマレーシアやシンガポールは、これまでに中国の加入申請を歓迎する意向を示したと伝えられていて、TPP参加国の間で反応は分かれています。
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